旅の蜃気楼

暑い夏にどういうわけか衣類の話

2007/08/27 15:38

週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載

▼8月13日のお盆の週は日本中の人が夏休みを取る。この休みにはもちろん、山に出かけました。海抜1000メートル登るごとに、気温は6度下がる。風が吹くと、風速1メートルごとに体感温度は1度下がる。だから山は涼しくて気持ちがいい。が、危険な場合もある。平地で過ごしやすい気温20度の日に、富士山に登ったとする。高さは3776メートルだから、頂上の気温は零下だ。そこで風が吹いてきた。それも雨まじりだ。気温はどんどん下がる。寒い。どうしよう。秋口の登山にはこんなケースが起こりやすい。そんな時、ゴアテックスの雨具を持っていると心強い。山に登ると、衣類の恩恵は偉大だな、といつも感じる。軽量で、保温、防風、吸汗の機能が高い。それなりに、値段も高いかな。命と引き換えだもの、衣類の装備は十分に吟味したい。

▼衣類つながりの話をもうひとつ。岐阜市に本社を構えるソフト会社テクノアは、業界初の服飾3Dシミュレーションを開発した。パソコン画面で、立体のマネキンが回転している。パソコンから型紙を選んで入力すると、好みの形の服が仮縫いの状態で出来上がる。回転させると、服を着た時のシワの感じも表現するすぐれものだ。同様のソフトはイスラエル、米国、フランス、韓国、日本の5か国にあるという。

▼テクノア社長・大道等さん曰く。「もう10年もの間、開発している。世界の競争のなかで、うちのが一番すぐれている」。その自信の半面、使用事例と用途の幅が、なかなか広がらない悩みもあるようだ。ところが、このソフトの操作を見ながら、コラム子は商品企画の膨らむソフトだと直感的に思ったのだから不思議だ。ゲームで使えないだろうか。クリニックの現場で医者と患者のコミュニケーションツールとして使えないだろうか。床屋で使えないだろうか。ブライダルコンサルタントで使えないだろうか、などなどである。勝手な思いと、現実の商品化は別だから、きっと高いハードルがあるのだろう。大道さんは、商品開発や業務提携の会社を求めている。テクノアは岐阜県庁の近くにある。岐阜は生まれ故郷だ。夏休みの途中にちょっと寄ってみました。連絡先は058-273-1445です。(BCN社長・奥田喜久男)
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