北斗七星

北斗七星 2007年8月27日付 Vol.1200

2007/08/27 15:38

週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載

▼8月も下旬だというのに、アブラゼミが夏の盛りのように鳴き続けている。この記録的な猛暑が追い風となったのが家電市場。曇り空が続いた7月までとは一変して、夏物家電の売り上げが急伸している。大手量販店では8月に入ってエアコン、冷蔵庫が前年比40%増の売れ行き。お盆の週には株式市場の大暴落をよそに、前年比倍増という空前の売れ行きを記録した。

▼今年は夏場に需要が急減するパソコン関連市場も好調だ。メモリやデジカメ用メモリカードは前年比30-40%増、PCパーツも2ケタ近い伸びを続けている。不振が続いたノートパソコンもほぼ前年並みに回復。さらに液晶テレビも40%近い伸びを維持している。

▼個人消費全般をみると、自動車、衣料、百貨店などは前年割れで、必ずしも回復への足どりは確かではない。定率減税廃止による税負担の増大や年金問題などが足かせとの見方もある。しかし、IT・デジタル家電に関する限りは、こうしたマイナス要因をはねのける足腰の強さが感じられる。マイナス成長が続いたパソコンに関しては、少なくともVista効果による買い替え需要が本格化してきたとみて間違いないだろう。アメリカのサブプライムローンに端を発した世界的な株安などの不安要素はあるものの、個人向けパソコンは下期にかけて安定した需要が見込めそうだ。BtoB市場にとっては、来年春以降から新サーバーOSも含めたリプレース商戦が本格化することを期待したい。
  • 1