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津軽海峡越えない会計監査人

2007/07/23 15:37

週刊BCN 2007年07月23日vol.1196掲載

 北海道内には、家具販売のニトリなど、札幌証券取引所を含め上場企業が63社ある。しかし、道内には、来年4月施行の「金融商品取引法」に対応するために必要な会計監査やシステム監査をする専門家が不足している状況だ。全国的な傾向ではあるものの、「(監査法人などが)津軽海峡を越えてやってこない」。逼迫する道内事情に、あるコンサルタントは嘆く。

 会計監査ではないが、道内の北海道銀行や信金、商工会議所にはテレビ会議システムを利用して、ITコーディネータや公認会計士、税理士などが道外の遠隔地から経営相談に乗る仕組みが登場している。金融商品取引法に基づく内部統制強化に関しても、こうした取り組みで上場企業をバックアップする必要があるかもしれない。

 内部統制に関しては、上場企業やグループ会社、子会社に限らず、取引先である未上場の中堅中小企業にも「コンプライアンス(法令遵守)」が求められる。自動車業界が相次ぎ進出する九州地区では、地場の製造業で部品などのサプライチェーンを構築しようとしたが、内部統制が未整備で順調に進んでいないと聞く。

 道内にも首都圏の大手上場企業と取引する企業は多数ある。道外の需要を掘り起こさずして、独自に地域産業の活性化を図ることが困難なため、早い段階で援助が必要になりそうだ。(吾)
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