Letters from the World

インドとモーリシャス

2007/06/04 15:37

週刊BCN 2007年06月04日vol.1189掲載

 インドに対する海外直接投資のトップはどこの国であろうか?リゾートで有名なモーリシャスなのである。2004年度では4 億7000万ドルがモーリシャスからの投資額で、2位米国の1億4000万ドルを大きく引き離している。

 なぜ、モーリシャスなのか。インドは多くの国と租税条約を結んでいる。タックスヘイブンを導入する多くの国は、主要国と2国間の租税条約を結んでいない。マネーロンダリングや、節税スキムがその主要ビジネスなので租税条約はむしろ弊害となるのだ。

 例外もある。カリブ海にあるオランダ領のアンティール諸島などである。ここへのキャピタルゲインの送金やライセンス料の支払い、配当の送金に対する支払い国側の源泉徴収が軽減されるなどの恩恵がある。これは、2国間租税条約のためだ。

 モーリシャスとインドもその関係にある。モーリシャス居住者の会社 (GBC1という) はその恩恵が受けられる。インドでの操業利益の送金やIPOなどによるキャピタルゲインの送金がモーリシャスからされる場合、インド側で源泉徴収が無税になる。他の国への場合は、例えば10%あるいはそれ以上がインド側で課税される。(ベンガルール発:アコードインターナショナル 原 真)
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