北斗七星
北斗七星 2007年5月7日付 Vol.1185
2007/05/07 15:38
週刊BCN 2007年05月07日vol.1185掲載
▼問題は交通信号の渡り方が変わったということだろう。この10年近く、日本企業は現場への権限委譲と階層のフラット化で意思決定の迅速化と生産性の向上を図ってきた。それを後押ししたのが、ハンコを連ねた決裁文書主義に代わる社内メールの浸透だ。しかし、内部統制が求めているのは、こうしたメール文化の簡略主義とは相反する手続きの文書化や相互監視制度である。「黄色」は注意して進めでなく、確実に止まれだと頭を入れ替えなければならない。
▼経営手法のルールが変わった以上、新しい内部統制のあり方に異論を唱えているばかりでは進歩はない。しかし、米国ではSOX法対応によって、1社平均3500万ドルの対応費用がかかったという。このコストと時間をどのように競争力の向上に結びつけられるかが課題だろう。メールが企業の意思決定プロセスを変えたように、内部統制を遵守しながら、意思決定プロセスを効率化できる新しいIT活用の提案が待たれる。
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