通信事業者のNTTが進めるNGN（次世代ネットワーク網）。このビジネスを確立しようとPBXメーカーや、スイッチなどネットワーク機器メーカーが力を注いでいる。このほど、NTTが大リーグのイチロー選手を起用したテレビCMを流し始め、“NGN”という言葉が少なからず認知されつつあるのではないだろうか。

　ところでNGNシステムはどのような仕組みなのだろうか。実は、次世代のネットワークについてワールドワイドで規格標準化の方向へと進んでいるが、システム自体は「分かりにくい」というのが一般的な答えだろう。というのも、NTTが現段階でNGNシステムを構築しているわけではなく、国内にNGNシステムがまだ存在していないからである。今は、どのようなシステムを構築し、そのシステムを通じてどのようなサービスを提供するかを、業界全体で大きなテーマとして検討している段階だ。

　そうした状況にあるためか、最近ではやたらと“NGN”をテーマとしたベンダーによる発表が増えた。時には、IPテレフォニーシステムですら、先進的なネットワークとして“NGN”と呼んでいるケースもある。

　このような言葉の乱立は、NTTがNGNの枠組みを決めていないからだろう。実は、NGNとは単にNTTが次世代ネットワークを表現するために作った言葉にすぎない。ワールドワイドでは“NGN”とは表現しない。（真）