北斗七星
北斗七星 2007年2月19日付 Vol.1175
2007/02/19 15:38
週刊BCN 2007年02月19日vol.1175掲載
▼環境汚染や温暖化の問題は、政治経済とは相反する問題のように扱われてきた。しかしどうも風向きが変わりそうな気配がある。日本でも上映が始まった地球温暖化のドキュメンタリー「不都合な真実」は、アメリカのゴア元副大統領が主人公だ。内容は確かに環境問題や地球温暖化に対する警鐘だが、大統領選挙を念頭に置いた民主党政権への世論づくりという臭いがしないでもない。情報スーパーハイウェイ構想を打ち立て、米国ネット経済を構想した立役者だけに、政治的な戦略と無縁というわけではないだろう。
▼環境問題は、経済的には二酸化炭素の排出権ビジネスとも絡んでいる。政治的には、欧米先進国対中国、インドの覇権争いの側面もある。日本は理念では先行していても、二酸化炭素削減などの施策面では立ち後れが目立つ。アメリカが豹変すれば、経済的にも影響は小さくない。温暖化対策はITビジネスには追い風だが、企業単位での対応を迫られれば経営の重い足かせとなる。風向きがどう変わるかはともかく、経営の実際的な課題として正面から取り組む覚悟を迫られそうだ。
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