ITは技術革新が激しい。イノベーションのカベを乗り越えた企業だけがグローバルでの競争に勝てる。

　今年、大幅な販売増が見込まれるブレードサーバーは、仮想化やオンデマンドなど最先端のミドルウェア技術が伴ってこそ真価が発揮できる。技術のカベを乗り越えられずにふるい落とされるベンダーが出てくる可能性もある。見方を変えれば、シェアを伸ばすプレーヤーの数が限られるからこそ、勝ち残れば大きな果実を手にできる。

　次世代DVDの「HD DVD」と「ブルーレイディスク」のシェア争いが激しさを増しているが、関係者からは「技術のハードルがより高いほうがビジネスのうま味がある」との声が聞こえてくる。ハードルが高ければ高いほど台湾や韓国、中国のベンダーからの追撃をかわしやすく、競争優位性がより鮮明になるからだ。

　検索サービスのグーグルが恐れられているのは、ずば抜けた技術力をもっているからだ。技術のカベが“城壁”や“堀”の役割を担い、現時点では誰も攻め込めないほどである。

　振り返って日本のITベンダーがこうしたイノベーションに正面から向き合っているのか－－。時折り疑問に感じることがある。海外から技術を仕入れて売るだけになっていないか。単なる規格争いに陥っていないか。

　技術のカベを味方につけてこそ国際競争に打ち勝てるのだが。