Letters from the World

米中間選挙もネットは泥仕合

2006/11/13 15:37

週刊BCN 2006年11月13日vol.1162掲載

 「ブロガーが記者ならビデオを撮る人はTVレポーター。ネットは新興のメディア勢力として政治の意思伝達状況に影響を及ぼしている」と語るのはピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクトのレーニー部長。

 中間選挙もネットは主戦場だ。同研究所の統計によると選挙の情報収集をネットで行う国民は1日約2600人、4年前の2倍半に増えた。

 荒れたのはYou Tubeだ。候補の名演説を投稿するのではなく過去に犯した小さな過ち、失言をみんなで繰り返し見るのである。例えばジョージ・アレン議員は対立候補の運動員を差別用語でけなすシーンをカメラが捕えていた。

 myspaceなどSNSでは選挙に無関心な若者層をつかみたい議員がコメントに大忙し。

 検索騙しの「グーグル爆弾」は今回、ベラル系グループブロガーMyDDのクリス・ブラウン氏が共和党約50人を標的に仕込んだ。候補者名を検索すると銃所持で取り調べ、FBI家宅捜査など不祥事が検索上位にくるSEO工作だ。ちなみにブッシュ大統領はこうした工作で「失敗」の検索トップを独走中だ。(サンフランシスコ発:ジャーナリスト 市村 佐登美)
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