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データセンターは産業構造の縮図?

2006/11/13 15:27

週刊BCN 2006年11月13日vol.1162掲載

 データセンター(DC)の二極化が進んでいる。付加価値の高いサービスメニューをどれだけ多く提供できるかが差別化のカギを握る。

 24時間休むことなくサービスを提供するのがDCのこれまでの使命だった。ところがソフトウェアのサービス化などでDCに求められる機能が急速に高度化。安定的なサービス提供能力は「いまや必要最低限の条件」(伊藤忠テクノソリューションズでDC事業を担当する小菅和夫・取締役専務執行役員)とみられている。

 “止まらない”のはあたりまえ。そのうえで“どんなサービスやアプリケーションを提供できるのか”でDCの価値が決まるのだ。

 たとえばコンビニのPOSシステムの運用経験が豊富であるとか、大手総合ポータルサイトが提供するオンライン金融サービスを構築・運用しているなどの実績とノウハウが求められる。

 自社が持つ業種・業務ノウハウをサービス化して、DCを基盤として横展開すれば立派なユビキタスオンデマンドサービスになる。

 都心回帰の現象も起こっている。システムの高度化、複雑化によってDCに通う頻度が高まっているためだ。そのため「東京・山手線内に人気が集中している」(NTTデータの浜口友一社長)という。地方との格差も広がっている。まるで一極集中から抜け出せない産業構造の縮図のようである。
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