旅の蜃気楼
中国の首脳を生んだ地・長沙
2006/10/16 15:38
週刊BCN 2006年10月16日vol.1158掲載
▼成田から広州の飛行時間は3時間30分。ここで乗り換える。長沙まではあと1時間だ。乗り継ぎ時間に飛行場内の写真を撮っていたら、警備員に監視され始めた。中止して、何気ない顔をして、喫茶店で中国茶とスイカの種を頼んで、皮をむくのを1時間楽しんだ。それでも時間があまったので、残して席を立った。飛行場の近代的な施設とスイカの種ではギャップが大きかった。いつまでこのメニューがあるのだろうか。白雲空港をたずねる楽しみができた。
▼飛行機は飛び立った。長沙には初めて訪ねる。上空から見る長沙の街は牧歌的な風景だった。小さな森があって、その中に一軒だけ家がある。森は広大な地域に点在していて、その間に池や田畑がある。緑地も多くヨーロッパの風景のように感じた。長沙の人口は602万人。長沙駅には北京と広州の縦貫鉄道が通っている。広州から少し先には香港がある。交通の便がいい。香港から見ると、その先に深・、広州、長沙と続く。この地形は常に時代の潮流を飲み込んでいる。だからであろうか、この地は政治家を多く輩出している。毛沢東、劉少奇、胡耀邦、朱鎔基だ。日本でいえば安倍晋三首相を生んだ山口県ということか。長沙は湖南省にある。その人口は6732万人。この1省で、日本の人口の半分を占めている。GDPは9.5兆円。山口県の人口は149万人、GDPは5.7兆円。規模が違う。中国は規模の特性を力学に使っている。夜のパーティーで中国式をじっくり見た。(BCN社長・奥田喜久男)
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