北斗七星

北斗七星 2006年8月28日付 Vol.1151

2006/08/28 15:38

週刊BCN 2006年08月28日vol.1151掲載

▼JR札幌駅には、高校野球の「甲子園大会」時に「街頭テレビ」が登場する。駒大苫小牧の活躍もあり、今夏はさぞかし歓喜に包まれたろう。東京・秋葉原の電気街にも、初優勝を狙う早実を応援するため、店頭テレビの前に人だかりができていた。

▼仕事柄、沸きに沸いた「甲子園大会」でAV家電に〝特需〟があったかと、「BCNランキング」のデータ検索を試みようとしたが、すぐその手を止めた。プラズマや液晶ならずとも、ブラウン管でも十分〝熱闘感〟は伝わったはずだからだ。

▼駒苫のある北海道は、国内有数の馬産地だ。昨年、競馬ファンならずとも知る存在となった競走馬・ディープインパクトも、この地に生まれた。同馬主は、ソフト開発会社、図研の金子真人社長。彼の相馬眼によれば、仔馬の頃に名馬を見抜くコツは「眼」という。延長再試合の決勝、最後のバッターは、駒苫の田中投手。早実の斎藤投手の速球に三振で倒れると〝不敵な笑み〟を浮かべた。試合後には「やり尽くした涙はない」とコメント。判官びいきかもしれないが、彼の「眼力」に将来の〝大物〟を感じた。

▼最近、事務所の入退室確認に「虹彩認証」の導入が進んでいる。眼球の黒目に現れる皺のパターンを識別して本人確認を行なう生体認証だ。「眼」は心理的抵抗が少なく、顔や声のように衰えず、指紋のように偽造しにくい。この技術、優秀な人材や〝馬材〟を透視して発掘する機械に応用できるのでは、と考えるのはあさはかであろうか。
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