北斗七星

北斗七星 2006年6月19日付 Vol.1142

2006/06/19 15:38

週刊BCN 2006年06月19日vol.1142掲載

▼いささか困惑している。最近のニュースリリースは、読んでもよく理解できないものが増えているからである。年をとったんだろう、勉強不足だからだ、と言われれば、それはその通りなのだが、日本語として通用しない文章が増えていることも確かだ。特に外資系企業の発表にその傾向が強い。実例を挙げれば、理解してもらえるだろうが、企業名が分からないように引用するのは難しいので、ここでは総論にとどめておこう。

▼元々、この業界には新造語が次から次へと登場している。その新造語をこれといった説明なしに、誰もが知っているだろうとばかりに主語に持ってきて、しかも直訳調でまとめられたら、日本語としてわかりにくくなるのは当然だ。

▼紛らわしい新造語の例として、頭文字がSで始まる例を挙げれば、SOXをはじめ、SOA、SAS、SNS──などが思い浮かぶ。何を意味し、何の略語か、4つとも即座に正確に答えられる人が業界内にどのくらいいるだろうか。ブログに関心を持っている人なら、SNSなんて常識よ、というだろうが、そうでない人だっている。そういえば、ある国産プロバイダの発表文には「SNSって何だ」という解説がついになかったな。

▼関心を持ってくれる人だけを相手にすればいいというのではなく、できるだけ幅広い人に呼びかけようというのが、プレス発表の本来の狙いだろうと思うが、そこをきっちり押さえられない企業の将来性は薄くなるだろうなと思う。
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