Letters from the World

メダカが鯨を呑み込む話

2006/04/17 15:37

週刊BCN 2006年04月17日vol.1134掲載

 私が米国の大学を卒業した翌年にあたる1984年、米国で最大の電話会社 American Telephone & Telegraph (AT&T)が独占企業と認定され、8つの会社に分割された。その後、通信事業はこの8つの会社とその他の多くの電話通信会社によってサービスが提供されることになった。

 分割された会社のなかで最も小さな会社はSouthern Bell Company(SBC)だった。この会社は独自のネットワークと管理体制を築き、米国の電話業界で最も業績がよかった。しかし、このSBCが元々の母体であったAT&Tを買収するとは誰も思わなかっただろう。

 AT&Tの買収と同時に、SBC傘下の携帯電話会社CingularがAT&T Mobileも買収した。これで米国最大の電話会社は、米国最大の携帯電話サービス会社にもなったわけだ。そして、おもしろいことにAT&Tを買収したSBCはat&tと名前を変えたのだ。

 06年に入り、at&tはAT&Tから分割したもうひとつの会社Bell Southの買収も発表した。

 米国の電話業界には今、強烈なM&Aの嵐が吹き荒れているところである。(サンノゼ発)
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