北斗七星

北斗七星 2006年2月27日付 Vol.1127

2006/02/27 15:38

週刊BCN 2006年02月27日vol.1127掲載

▼2月14日、公職選挙活動に関する超党派の国会議員の「e-Politics」勉強会が発足した。公職選挙では、告示から投票終了まで立候補者はホームページの更新やメールマガジンの発行が禁止されている。メールで有権者に施政方針を伝えるのはトンデモナイが、ハガキと電話ならOK──これはいかにも時代遅れじゃないか。勉強会については「いまさら何を」が正直な感想だが、やらないよりはいい。

▼昨年の衆院選で当選した某新人議員氏は、議員会館に部屋は割り当てられたものの、メールアドレスを持つことができたのは3か月もあとだった。「国会というところはIT化が遅れている」と嘆いていた。というより、IT化の意味が分かっていない。e-Japan計画で「世界最高水準のIT国家」を目指したのはいいとしても、総花的で旧来型の予算バラマキ行政に終始したのは、国政をつかさどる〝先生〟方がITを公共事業の代替に位置づけた結果にほかならない。

▼法律上では地方選挙に電子投票システムが使えるようになっているが、それは表向きのこと。単独の市町村内に限定され、県政選挙ではダメなのが実態だ。e-Politics勉強会を旗揚げするに際しても「インターネットが使えない立候補者はどうするんだ」「メールが受信できない有権者を無視するのか」という異論反論が喧しかったと聞く。肝心なのは、国の将来を付託された者として、考え方や活動に透明性を確保する手段の話ではないのかね、と言いたい。いやはやまったく、先が思いやられる。
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