北斗七星
北斗七星 2006年2月20日付 Vol.1126
2006/02/20 15:38
週刊BCN 2006年02月20日vol.1126掲載
▼この時期に発覚したライブドアの粉飾決算は、企業の社会的責任を考えるうえで象徴的な意味を持っている。米国ではネットバブルの全盛期にエンロンの大規模粉飾決算が引き金となって、SOX法やFTCによる企業統治の監視強化が図られた。ライブドア事件では、法制度の不備をついて成長するネットビジネスの世界に検察が法令遵守を宣告したという側面がうかがえる。
▼日本の企業社会は、株の持ち合い制度などの慣習を盾に外部からの資本流入を阻んできた。金融・会計ビックバンは、この障壁を解体することで企業の透明性を高めようという荒療治だった。今回の会社法に続く一連の改正は、その裾野を未公開企業にまで広げようという狙いがある。いわばビッグバンの総仕上げともいえる政策だ。
▼こうした背景を重ね合わせると、ライブドア事件は、企業統治の重要さを象徴する出来事のよう思える。システム業界にとっては、内部統制やコンプライアンスという側面からITが新しい社会的役割を求められていることも意味している。需要の裾野は大きいが、同時にシステム業界に求められる責任も重大だ。
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