北斗七星
北斗七星 2006年1月2日付 Vol.1119
2006/01/02 15:38
週刊BCN 2006年01月02日vol.1119掲載
▼地方のシステムインテグレータ(SI)を取材しても、優秀な人材の不足に悩んでいる。優秀なシステムエンジニア(SE)をどれだけ抱えておけるかが、業績に直結すると言っても過言ではない。SEを十分確保できないばっかりに、「プロジェクトを受注できるチャンスがありながら、泣く泣く見送る場合もある」とはある経営者のぼやきである。
▼地方SIのように資金的に脆弱な企業の場合では、自社での研修もままならず競争力が落ちているのも重大な問題。これに応える形で、地方の業界団体や行政がIT人材の育成を産業振興策に掲げる事例が増えてきた。ある県の担当者は、「毎回非常に好評だ。人材不足に悩む地元のIT企業への就職率もほぼ100%」とその効果に胸を張る。
▼これまで「産業支援センター」といったハコ物を作ることが行政の産業支援というイメージがあった。しかし各地で新しいステージとして「人材育成」というソフトの部分に本気で取り組み始めた。いわゆる「三位一体改革」で地方交付税が減額されているなかで、行政も地元企業のニーズに応える動きが活発化している。2006年は、IT産業振興を加速する「転機の年」にしなければならない。
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