北斗七星
北斗七星 2005年12月12日付 Vol.1117
2005/12/12 15:38
週刊BCN 2005年12月12日vol.1117掲載
▼しかし、待てよと思う。IT産業にとってはどうだろう。当時、日米の経済摩擦の焦点は、半導体だった。日本の半導体が世界を席巻し、さらに富士通、日立製作所がIBMを追い上げ、アメリカは迫りくる日本企業の足音に本気で怯えた。今はどうか。サーバー、半導体、パソコンのいずれも、日本企業は世界のトップに水をあけられている。何より世界市場で覇権を争える骨太のビジョンが描けない。ソフト産業にいたっては、残念ながらひたすら国内需要に頼るばかりの閉塞感が漂う。
▼「天気晴朗なれど波高しだ」。ある大手システム企業のトップは、来年の展望をこう語る。企業のIT投資額は回復し、業績の拡大も確実に見込める。しかし、長期的な成長が描ける「向こう岸」が見えてこない。金融、製造業のバブルの清算はめどがついたが、IT産業の本格的な復活はいつになるのか。06年が、せめてその端緒となることを期待したい。
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