北斗七星

北斗七星 2005年11月21日付 Vol.1114

2005/11/21 15:38

週刊BCN 2005年11月21日vol.1114掲載

▼11月7日付の本紙(Vol・1112)でキーパーソンに取り上げたソフト開発ベンチャー、シンクの上野文彦社長。「ソフト開発が好きなんです。デスクの下には寝袋や毛布が置いてあって、寝食忘れて開発に没頭する。そういう雰囲気が好きなんです」。そんな〝バンカラ〟な雰囲気がいいのだという。

▼NPO(特定非営利活動)法人、HP─スクイーカーズ代表の日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の瓜谷輝之・経営企画室GPA部部長。子供たちにコンピューティング環境「スクイーク」を広めている。「日本HP社員がボランティアで教えている。どんどん子供たちが創造力を発揮して先に進んでいってしまう」と笑う。熱中すれば熱中するほど、興味が深まり、子供たちの創造力は果てしない、と驚く。

▼スクイークを教えるワークショップを開催すると、「100人に1人か2人くらいは、あっと驚くような天才ぶりを発揮する子供が出てくる」のだとか。先ごろまでHPのシニア・フェローだったアラン・ケイ博士も、スクイークの普及を通じて、そういう天才を発見するのが喜びなのだという。

▼ソフト開発の現場が3K職場と言われるようになって久しい。最近では理系学生にも就職先として忌避されていると聞く。しかし、寝食忘れて〝開発〟に没頭する若いベンチャー社長の笑顔や、子供たちがパソコンで自分のソフトの“開発”に熱中する姿を目の当たりにすると、何かとマネーゲームばかりが注目される最近のIT産業にあって、日本のソフト開発の未来に大いに期待したいと思う。
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