BCN FORUM

テレビでなくモニター

2005/11/07 15:27

週刊BCN 2005年11月07日vol.1112掲載

 32V型のハイビジョン対応液晶テレビを製品化するアイ・オー・データ機器。細野昭雄社長は、「家電メーカーと真っ向勝負するつもりはない。独自のコンセプトで需要開拓する」と、薄型大画面テレビの人気に便乗するのではない、ときっぱり。「画面サイズの大型化を指向したりラインアップの充実を図るつもりはない」とか。

 ここのところ32V型の大型液晶パネルを採用した“大画面パソコン”が人気商品になっている。細野社長は、「パソコンの買い替え周期は3-5年、それに対してテレビは10年も使う。買い替えサイクルを考えたら、オールインワンの大画面パソコンはちょっと・・・」と首を傾げる。

 アイ・オー・データではデジタル家電の周辺機器を展開してきたノウハウを生かし、32V型テレビにデジタルチューナーを後から買い足すなど、ユーザーがアップグレードできる「コンポーネント化」をコンセプトに掲げる。

 パソコンではモニターはあくまでも周辺機器。デジタル家電の周辺機器を展開する同社にとって、大画面液晶テレビという基幹商品にまで手を出したことになる。「実際に商品化を決める段階で、一番抵抗したのは、実は私だ」と細野社長は苦笑い。それで発売直前の今でも、「大画面液晶テレビというより、あくまでモニターと思っている」。
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