シャープがAV（音響・映像）機能を搭載したデスクトップパソコン「メビウス」シリーズの新製品を12月中旬から販売開始する。同社は、テレビチューナー搭載のデスクトップを家庭のリビングに置いてファミリーで楽しむ“AVセンターパソコン”として昨年末から投入した。約1年で3万台を出荷しており、名井哲夫・情報通信事業本部副本部長兼液晶IT事業統括は、「家族でテレビとパソコンを楽しむという新しいスタイルが広がりつつある」とコンセプトが当たったとニンマリ。さらに「今回の新製品では、月産5000台を見込む」と、前モデルの約2倍に出荷台数を引き上げると強気だ。家電量販店のパソコン売り場と薄型テレビコーナー両面での販売も進める。こうなると、テレビそのもの。

　NECや富士通など大手メーカーがパソコンにAV機能を搭載するのは、映像を楽しむニーズを取り込みたいから。そして何より薄型テレビを製品に持たないからである。家電量販店がAVパソコンを薄型テレビコーナーでも展示するようになれば、パソコンメーカーにとっては渡りに船。しかし、シャープの場合は、自社の液晶テレビと競合する恐れも。名井副本部長は、「液晶テレビの拡販にもつながる相乗効果を期待する」との意向を示す。これも液晶テレビラインアップの1つということか。