北斗七星

北斗七星 2005年9月26日付 Vol.1106

2005/09/26 15:38

週刊BCN 2005年09月26日vol.1106掲載

▼中国やインドでのオフショア開発が盛んだ。その一方で国内では、首都圏に集中するソフト開発案件で地方のソフトベンダーは下請け依存体質から抜け出せないでいる。そこに横から入り込んできたのが、オフショア開発というわけ。言葉や文化の壁もあって上手くいっている企業もあれば、結果的に大きな負担を背負い込むソフトベンダーもある。

▼現地プログラマのスキルが上がれば、引き抜きも激しくなる。安かったはずの人件費もじわじわと上がってくる。しかし、スキルが上がってくるのは歓迎すべきこと。NECソフトウェア東北では、今年度中を目標に、これまで中国でプログラムが完成してからテストを行い、日本で受け入れテストを行うという2重の手間を1回で済ます体制を構築する。通常は、受け入れテストでNOと判定されれば、手戻りが生じ納期遅延、赤字プロジェクトへの道をたどることは必定。これを1回で済ますとなると、相当スキルを高める必要もある。

▼テストを1回で済ませば、それだけ工数の削減が可能になる。もちろん黙っていても、テストの効率化が可能になるわけではない。中国の開発拠点に、本社から開発者1人を常駐で派遣した。開発に必要な仕様書も同一のものを渡し、受け入れテスト用プログラムチェックの要項も現地に送った。

▼座して見ているだけでは取り残される。大いなる努力で競争力をつけていくことが、単なる下請けソフト開発ではない、独自のビジネスモデルを作り上げる秘訣。地方でも、中国、インドでも違いはない。
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