旅の蜃気楼

秋葉原、にぎやかに

2005/09/19 15:38

週刊BCN 2005年09月19日vol.1105掲載

▼ちょっと食事をしに、夜の8時頃、秋葉原へ出かけた。駅前には新しいビルが建っている。全館が飲食街だ。洋食店に入ったら、30分の時間待ち。店内には20代のカップルが多い。なるほど混んでいる。上の階に移動した。居酒屋「かこいや」だ。仕切りのある部屋に通された。つい先頃まで、客がいた気配がする。いすに座る。窓越しに、大きなビルとTXの看板が見える。TXとは、つくばと秋葉原を45分で走るつくばエクスプレスだ。いやはや秋葉原はあわただしくなった。今週金曜日には、さらに秋葉原が賑わしくなる。「9/16、でっかくOPEN」。そうです。新宿に本拠を構えるヨドバシカメラが秋葉原に「マルチメディアAkiba」店を開いたのです。

▼グーグルで「ヨドバシカメラ 会社設立」と入力して検索した。設立は1960年4月。当時の秋葉原は家電王国日本に向けてまっしぐらの時である。この土地は長い間、新規参入が難しい街だった。ソフマップが秋葉原に第1号店を開店したのは83年。創業者の鈴木慶さんは「もう閉鎖的で閉鎖的で。苦労しましたよ…」と。その時からさらにさかのぼること20年だから、その街の壁はどんなに高かったことだろうか。それがJR東日本とのタイアップで、地上9階・地下6階の最も大きなビルを建てた。「むかし、この街ではビルの屋上に立て看板を建てて、高さを競ったものです」という。そんな背比べをする時があったんだ。

▼どんな大きさかといえば、大阪・梅田にある店をフロア規模も売り上げも上回る見通しだ。おおよそ年間1100億円を超えるのではないか。秋葉原では今、複数の大きなビルの建設が進んでいる。日中の人口は5万人増えるとの予測がある。まだまだ飲食店は必要だ。この街は千葉や埼玉方面のカップルのデートスポットになりそうだ。いずれ「スイート秋葉原」なんて言葉もできそうだ。(本郷発・奥田喜久男)
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