北斗七星

北斗七星 2005年9月12日付 Vol.1104

2005/09/12 15:38

週刊BCN 2005年09月12日vol.1104掲載

▼携帯電話端末をカーナビゲーションシステムとして活用できるサービスを、KDDI(au)が9月8日から始めた。GPS機能を搭載した端末があれば1日157円、月に何度も利用する場合でも月額315円の料金で、配信される地図情報をもとに音声で最適ルートの案内が受けられる。VICSによる渋滞情報にも対応しており、簡易型カーナビの機能は十分備えているといえる。

▼もちろんこの携帯電話カーナビ、ハンドルを握りながらの利用は御法度だ。auでもこの点に配慮して、同サービスの名称を「EZ助手席ナビ」とし、運転者以外の利用に限定したサービスであることを強調している。昨年11月の改正道路交通法の施行で、運転中の通話は当然のこと、メール送受信などで端末を手に画像を注視した場合でも罰則が与えられるようになった。だが、それでも依然運転中の利用シーンをたまに見かける現状を考えると、進化する技術に人間の方が追い付いていないのかもしれない。

▼電車の中ではマナー遵守を呼びかける再三のアナウンスで、さすがに最近は大声で電話をかける人はいなくなったが、自動車という私的な空間ではマナーに頼るだけでは限界がある。よって罰則強化という選択も考えられようが、できれば技術的なアプローチで解決が図れるならそれに越したことはない。例えば、ハンドルに触れている人には自動的に携帯電話が利用できなくなるような電波遮断技術はできないものか。今こそIT業界、自動車業界にとっての知恵の出しどころではないか。
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