ゴルフギア新時代 つかめ!クラブのポテンシャル
<ゴルフギア新時代 つかめ!クラブのポテンシャル>10.アイアン(4) アイアンのシャフト
2005/09/12 15:37
週刊BCN 2005年09月12日vol.1104掲載
アイアンを購入される時、こういう質問をよく受けます。
ウッドを購入する時には選択肢に入っていないスチールシャフトが、アイアンでは気になってしまうのです。好きなプロのスペックが、ウッドはグラファイト、アイアンはスチールということも影響するのでしょうか。たとえば最近、宮里藍プロがアイアンのシャフトをスチールに変えたというニュースがあったりして、漠然とアイアンにはスチールがいいんではないかなと考えている人は少なくないようです。
また、たとえば日本シャフトの「NSプロシリーズ」に代表される軽量シャフトが各社から発売されるようになったことも1つの要因でしょう。
「振りきれればスチールシャフトがいい」というのが、私の答えです。
その理由は、①スチールの方がシャフトとして完成度が高い。グラファイトが開発されてからまだ30年ほどなのに対して、スチールは約90年。タイガー・ウッズも使用しているダイナミックゴールドシャフトは、市場に登場してからすでに20数年たっているにもかかわらず、トーナメントで使用率はナンバーワンです。②同じ品質を求めるなら、スチールのほうが断然安い。安くて、優れているならそれを使えばいいということになります。
スチールとグラファイトの大きな違いは、「重さ」と「トルク(ねじれ度)」です。体格や筋力が欧米人より劣る日本人には、グラファイトの楽に振れる「軽さ」とヘッドの返りを容易にしてくれる「トルク」は飛距離に少なからず影響します。前回書いたように、日本ではアイアンにも距離を求める傾向にありますから、スチールシャフトが敬遠されがちでした。よく言われるように、アイアンのシャフトは正確性を重視するならスチール、距離を出したいのならグラファイトということです。
しかし、私の独断では、60歳代までの男性ならば、スチールシャフトを十分使えると思います。「振りきれればスチールシャフトがいい」。
[ナカシマケンジ]
profile
1955年生まれ。79年、留学先の米ユタ州で本格的にゴルフを始める。95年、オーストラリアのシドニーに移住。99年、ゴルフのカスタムフィッティングの店「K's Golf」開店。
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