北斗七星

北斗七星 2005年9月12日付 Vol.1103

2005/09/05 15:38

週刊BCN 2005年09月05日vol.1103掲載

▼政治関連の報道は9月11日投票の総選挙に集中しているが、通常なら毎年8月下旬は各省庁の概算要求がマスコミで大きく取り上げられる時期。来年度、政府はどのような施策で国を運営していこうとしているのか。それをチェックするうえで、各省庁が打ち出す概算要求と重点施策は要チェックだ。これまでe─Japan戦略を追ってきたBCNとしては、特にIT分野での政府の動きが気になるところだ。

▼8月30日、総務省は2006年度の概算要求と「平成18年度重点施策」を発表した。そのなかで、IT業界との関連では「u─Japan政策の推進」が重要なところか。要求額は712億円。今回の新規案件としては、「サイバー攻撃への対策強化」や「IPv6によるユビキタス環境構築に向けたセキュリティ確保」が盛り込まれている。ITを活用してユビキタス社会を実現し、社会的課題を克服していくのがu─Japan政策のコンセプトでもある。やはりセキュリティ確保は最優先のテーマとして取り組んでもらいたい。

▼e─Japan戦略は05年度で最終年度を迎える。総務省では、さらに2010年度に向けた施策として、「u─Japan政策」を推進していくという。もっとも、〝官から民へ〟が時代の流れ。官の政策で具体的な成果を挙げるには、実は民間からの強い関心と熱い想いが必要不可欠だ。官民一体となったIT施策を遂行しなければ、国際社会で大きく後れをとることになろう。
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