旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->107.南オセアニアの旅-(10)ニュージーランド2 ダニーデン

2005/07/11 15:27

週刊BCN 2005年07月11日vol.1096掲載

 タスマニア島のホバートを出港後、58時間航行して2月11日8時、南島のダニーデンに入港した。スコットランドからの移民によって建設された古い街で、人口12万人、南島第2の都市である。スコットランド風の石造りの建物が多く残されていて、「南海のエジンバラ」と呼ばれている。ダニーデン駅の駅舎は赤煉瓦造りで、東京駅に非常に似ている。

 主な観光コースは2つあって、1つはアホウドリやペンギンのコロニーがあり、トドやオットセイがいるというオタゴ半島エコツアー。もう1つはタイエリ渓谷鉄道の1日観光。われわれは渓谷の鉄道観光を選んだ。

 駅を出ると右にニュージーランド最古の名門オタゴ大学がある。医学と歯学の専門校として評価が高く、各地から学生が集まっている。客車は一時代前のレトロ調の古いものだが、よく整備されており、老夫婦がそれぞれ1つの客室を受け持ち、温かく世話をしてくれて気分が和む。

 列車は蛇行するマロック川やタイエリ川の流れに沿って、深い渓谷や削られた岩山の間をゆっくり走った。トンネル(最長437メートル)や鉄橋が多く、ウィンガツイ高架鉄橋は全長197メートル、沿線最長の鉄橋で、中国人労働者を使って道のない岩山を貫き架橋した。工事の難しさはさぞかしと思い偲ばれた。渓谷一帯の岩は隆起水成岩で、建設材として多く使われている。露出した岩山の急峻と、それにへばりつくように生えている樹々の緑が、男性的な渓谷美を形成している。

 列車は「天国の丘」といわれるプケランギ駅に着いた。ここは海抜250メートルの高い岩場の上の豊かな沃野で、牧場や耕作地が拡がっていた。多くの人々が住み、道路もできていた。列車はここで折返し、ダニーデン駅に戻った。その後約1時間市内を散策し、ウィンドウショッピングなどをして帰船した。
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