Letters from the World
発展するアモイ
2005/07/04 15:37
週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載
アモイの人口は200万人程度だが、その規模にしては、余裕がありすぎる大きさである。またマレーシアなどとの便が多いのも、デルの海外の工場間を移動する航空貨物が多いからだろうか。
アモイの中心は島から構成され、熱帯樹とグリーンで溢れている。整備された道路は、それほどの渋滞もない。他の中国の地方都市と違うのは、バイクやスクーターが規制されているため、騒音も少ないし、空気も汚れていないということだ。
国家プロジェクトのハイテク育成プロジェクトの一環であるソフトウェアパークは金門島が目と鼻の先に見える海岸沿いにあり、まるでリゾートホテルのようである。ソフトウェアを基幹産業として位置づけるアモイ政府のショールームの役を果たしている。
アモイは90%の人が外部から来ているという意味では、広東省の深(シンセン)に似ているし、オートバイやスクーターを島内で禁止しているというところも似ている。しかし、治安の良さでは深を大きく引き離している。
ホワイトカラー層も多く、住民の生活レベルが高く安定しているのだろう。
アモイ島と本土を結ぶ橋は2本しかなく、犯罪事件の際はすぐに検問態勢がひかれるという、地理的な優位性がここにはある。
大手の携帯電話メーカー3社の工場があったり、海外の電子製品メーカーの工場やロジスティック本部があるなど、電子産業も根付いている。
日本からは各方面から60社が進出しているし、160人程度の日本人が居住しているようである。
今後ますます工場が進出し、発展が予想されるが、クリーンさと観光資源を維持していかなければ、アモイの良さは失われてしまう。市政府の絶妙な舵取りが試される。(中国・深セン発:アコードインターナショナル 原 真)
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