旅-経営者の目線-
<旅-経営者の目線->106.南オセアニアの旅-(9)ニュージーランド1
2005/07/04 15:27
週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載
2月9日朝9時(東京5時)、期待のミルフォードサウンドの入江に着いた。残念ながら曇り空、風強く寒かった。今回の旅のハイライトだけにがっかりした。しかし、ここは2日に1度は雨という多雨地域なので曇りは仕方ないか。
氷河で鋭く削られたU字谷の入江は、水深300から400メートルの海に1500メートル前後の山々がそそり立ち、数100メートルの滝がいくつも流れ落ちている。想像を絶する奇観であり、雄大な景色である。左岸の岩の上にあざらしが数頭いた。
そのうえ今回は思いもよらず、この入江のなかで日本郵船所有の飛鳥の僚船クリスタルセレニティという4万8621トンの最新鋭船と入江の最大水域でランデブーし、方向転換をするという離れ技を見せてくれた。
間近に行き交う両船の乗客同士が、派手に手を振り、声援を交換するという劇的な感動のひと時を過ごすことができた。千載一遇の僥倖であり、終生忘れられないシーンであった。
その後2つの入江を航行したあと、再び荒れるタスマン海を南下し、スチュアート島の入江に投錨した。気温13度で風は冷たく寒い。この島はニュージーランドの南端にあって、佐渡が島の2倍の大きさがある。人口350人、人の住む最南の漁村である。徹底した自然保護地に指定され、道路も一切造らず、上陸を厳しく制限して、多くの原生野鳥の楽園になっている。この徹底ぶりには、私も自然愛好家の1人として、共感し勇気づけられた。
船から、数人の買付人がボートで上陸し、新鮮な野菜や魚介類を仕入れてきた。
- 1