Letters from the World
時計と携帯電話機の部品市場
2005/06/06 15:37
週刊BCN 2005年06月06日vol.1091掲載
今は消費者市場が中心の東京・秋葉原も、日本が製造中心の時代には部品卸やジャンク屋の店舗が中心だった。今の中国はまさに、日本のその頃の時代なのである。
華南地区でそれら部品を供給するのが、深(シンセン)の賽格というエリアである。ここには業界ごとに業者が集まる集合ビルが多く存在する。以前に紹介した、電子市場がその最たるものだが、時計と携帯電話業界の集合ビルも同じく賽格に存在する。
時計市場では、竜頭などのメカ部品、ムーブメント、OEM(相手先ブランドによる生産)用のノーブランドの腕時計、分解調整用のツールなど、まさにそこに行けば自分好みの時計を組み立てるための部品と工具が一式揃ってしまう。
もちろん卸売りが基本なので、竜頭1個だけ買うというのは難しい場合もある。価格の安い部品は、袋詰で100個が一単位だったりする。
したがって、DIYで時計を組んだ場合、コスト的には日本円にして500円から1000円くらいの完成品の腕時計のほうが安くなる。
これらの部品供給は、ブランド品のレプリカ部品など、標準化されたものが、中国生産で徹底的に安く作られ出荷される。
ロレックスもどきだが、ロゴ無しのそっくりさんはどこにでも置いてある。
一方、携帯電話機市場の方も同じ賽格地区の華強北路にある。ビルの1階から3階までがすべて携帯電話機の製品と部品の業者で埋っている。
可愛らしい携帯ストラップなどに混じって、怪しげなグッズも目にすることができる。例えば、中国でも売られているPHSのハンドセットの番号書き換え器とか、SIMカードのコピー器などがその例である。
中国では、改造、組み立て、修理など、人件費を気にしないでできるビジネスが小資本で手軽に開始できるので、このような部品市場が賑わうのである。(深セン発:アコードインターナショナル 原 真)
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