深夜の車窓 寝台列車再考
<深夜の車窓 寝台列車再考>1.競争に勝てず
2005/02/07 15:26
週刊BCN 2005年02月07日vol.1075掲載
空の便が早割りやインターネット割引で安くなり、東海道・山陽新幹線でも「のぞみ」の大増発、高速道路網の発達で各地方への深夜バスの充実など、地方との時間的距離が縮まっただけでなく、経済的な距離も縮まってしまった。ビジネスホテルの宿泊費もインターネット予約による割引をはじめとして、価格破壊が進んでいる。寝台列車の場合、運賃と特急・急行料金に加え、B寝台の場合で6300円、A個室寝台ならば1万3350円ものエクストラコストが発生する。もはや競合は不可能なのだ。
中には「トワイライトエクスプレス」(大阪-札幌)や「カシオペア」(上野-札幌)のように、なかなか切符が取れない超豪華列車もある。これらは、列車に“乗ること”が目的であり、それが旅行の重要なファクターになっているのであり、ビジネスでの利用とは大きく異なる。
「あさかぜ」や「さくら」だけでなく、早晩各地への寝台特急は廃止されていくのだろう。古い車両を長年にわたり酷使し、内装のリニューアルは行われているものの寄る年波は隠せず、アメニティも低下している。いつか消えてなくなる前に、と思い、まず「はやぶさ」(東京-熊本)に乗ってみた。(今賀 至)
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