北斗七星
北斗七星 2005年1月10日付 Vol.1071
2005/01/10 15:38
週刊BCN 2005年01月10日vol.1071掲載
▼なぜこれほどまでに大きな被害となってしまったのか。その要因の1つに、津波の早期警報システムがなかったことが指摘されている。太平洋には、潮位の変動を測定し、津波発生時には日本や米国に情報を伝えるシステムがある。一方、インド洋にはそのような仕組みがなかった。スリランカに津波が到達したのは、地震発生からおよそ3時間後。津波の情報が伝わっていれば、被害は食い止められた可能性が高い。
▼東京大学地震研究所の都司嘉宣助教授によると、日本は津波に関しては5つの点で世界でもトップクラスだという。①1000年以上にわたる津波の歴史記録、②海岸線に密に配置された検潮所による観測、③内外の津波の調査実績、④大規模な数値計算が可能、そして⑤信頼性の高い津波警報システム。インドのある高官は、「滅多に起こらない自然災害の対策よりも、貧困問題の解決などの方が先決」と苦しい胸の内を語った。日本だからこそできる援助がある。
- 1