北斗七星

北斗七星 2005年1月3日付 Vol.1070

2005/01/03 15:38

週刊BCN 2005年01月03日vol.1070掲載

▼1997年12月の京都は底冷えがして非常に寒かった記憶がある。気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)、いわゆる地球温暖化防止京都会議が開催された時のことだ。最終日の会議の時間を大幅に延長して決まった地球温暖化防止のための「京都議定書」が、ようやく今年2月に発効する。COP3以降、日本は環境問題に熱心な欧州連合(EU)にも増して、議定書発効のために活動してきた。かつては環境問題に熱心だった米が議定書発効に冷淡なのは残念である。

▼つくば市にある気象庁気象研究所は、海洋科学技術センター・地球シミュレータセンター(横浜市)にあるスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を使って、長期の地球温暖化のシミュレーションを行っている。担当者によれば、「地球全体を細かなメッシュで分けて、詳細なシミュレーションが行える」のだとか。ただ、「暖冬」が果たして地球温暖化の影響と言えるのか、年毎の小さな変化なのかまでは判断できないという。しかし、確実に地球温暖化は進んでいる。

▼家庭用燃料電池、ハイブリッドカーなど、温室効果ガス排出抑制のための応用技術が定着している。ITベンダー各社も環境対策には熱心だ。プラズマテレビ、液晶テレビなどもリサイクル率向上、低消費電力化を実現した。パソコンへの燃料電池搭載なども具体化しそうである。環境を巡るイノベーションは着実に進んでいる。そうした技術が定着すれば、特別な意識が薄れてくるのは当たり前だが、京都議定書が発効する今年、改めて環境への意識を高めたい。
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