▼「ニート」という言葉をよく聞くようになった。ニート＝NEETとは「ノット・イン・エンプロイメント、エデュケーション・オア・トレーニング」の頭文字をとったものだ。働く意欲もなく、求職しないために失業者という枠からも外れる。フリーターとも異なり、ニートの場合、いわゆる親のすねかじり。無業者と呼ばれることもある。

▼今年4月、経済産業省が「若年者のためのワンストップサービスセンター（通称ジョブカフェ）事業」で全国15か所のモデル地域を選定した。その中の1つである「ジョブカフェいわて」で話を聞いた。盛岡市の繁華街にあるジョブカフェいわては、同じビルにヤングハローワークも同居する。所管する官庁は異なるが、若年層の就職支援のために協力している。

▼ITを活用し、適性を診断してそれぞれに合った仕事を検索したり、研修を受けて基本的な面接のマナーなどを習得させるというようなこともやっている。カウンセラーも待機しており、若者の相談にのっている。マネージャーに話を聞いている間も、ひっきりなしに若者が訪れ、利用率は高そうに感じた。

▼「何をしたらいいのかわからない」という若者もいれば、「自分に合った職業が見つからない」というケースもある。「我慢も必要だぞ」というような説教は短絡的であり、何の効果も生まないとか。ジョブカフェを訪れる若者を見ていると、フリーターやニートなんて、とは思えなくなる。彼らなりに一所懸命な姿がそこにある。