Letters from the World

中国のIP電話関連産業

2004/11/15 15:37

週刊BCN 2004年11月15日vol.1064掲載

 中国では、IP電話のサービスのプロバイダのみならず、これらの機器やシステムの供給に携わるメーカーや開発会社も数多い。

 従来の電話機の製造販売のビジネスは、台湾や香港から中国へ移動してきた。

 民生用の電話機製造産業は、洋傘、おもちゃなどと同様な軽産業として位置づけられる。

 安い人件費と周辺産業(樹脂成形、電子部品供給、基板製造、板金など)が整っていれば、すぐ取りかかれるのである。

 以前は台湾のエレクトロニクスショーには、山のように展示されていたが、最近は少なくなり、それも中国製造のものになりつつある。

 この電話機製造の産業に最近、異変が起きつつある。IP電話の興隆のため、ある種の電話機がIP電話機となりつつある。

 まだ全体の電話機の市場からすればわずかではあるが、着実に増えつつある。

 日本では、SIPアダプタのような、従来型の電話機を接続するものをヤフーなどのプロバイダが供給しているが、中国では電話機自体がすでにIP電話機となっているものが、普及しつつある。

 深3W(シンセン)や上海など大都市にはIP電話専門のサービスプロバイダも多い。

 シンセンには、プロバイダの他に、IP電話関連では、華為(Huawei)、中鋼(ZTE)などの超大手の他に、ATCOMやグランドストリームなど、国内はもとより欧米のインターネット電話サービス会社へOEM(相手先ブランドによる生産)供給している会社も多い。

 彼らは独自の開発チームを抱え、改良や新製品の開発をしているが、地方の工業団地には、ICと評価用の基板をもとに、単にIP電話を組み上げているメーカーも多い。

 そのような会社が、今年の広州交易会にいくつも出展していた。

 彼らには、SIPとかH.323などの用語の意味も知らずに展示している。その横にはキャラクターグッズの電話機などが並んでおり、商品のアンバランスが面白い。(深3W発:アコードインターナショナル 原 真)
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