北斗七星
北斗七星 2004年11月8日付 Vol.1063
2004/11/08 15:38
週刊BCN 2004年11月08日vol.1063掲載
▼もっとも、山積する未解決の課題は多い。イラク問題やテロリズムとの闘いはいうに及ばず、米連邦政府の財政赤字や原油高騰、二酸化炭素排出権を巡る問題…。米国の政策がわずかでも揺らぐだけで、日本の経済も大きな影響を受ける。
▼明治維新からわずか3年後の1871年、岩倉具視率いる使節団は米欧の視察に出発した。岩倉使節団の一員だった久米邦武は帰国後、「米欧回覧実記」を著す。米国について、久米は次のような印象を持ったという。「米国の民は、その弊を知らざるのみならず、ただその美を愛し、世界を挙げて、その国是に就しめんとす」。久米は、「物事には一長一短常に二面性があるものだが、米国は自己の価値観やイデオロギーを最高のものと考え、単純にそれを世界に広めようとしている」と、米国の本質を見抜いていた。
▼今も昔も米国は変わらないが、日本にとって対米関係の緊密な維持・構築はやはり重要だ。2期目に入るブッシュ政権がどのような舵取りをするのか、その経済運営はどうなるのか、私たちは常に関心を払わなければならないだろう。
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