アマチュアのためのゴルフ心理学
<アマチュアのためのゴルフ心理学>13.スコアの壁
2004/11/01 15:27
週刊BCN 2004年11月01日vol.1062掲載
例えば、あなたが自分のスコアは大体90から98くらいの間だと思っているとしよう。それがあなたのラウンドにおけるコンフォートゾーン(快適な範囲)だ。
そのスコアがあなたにとって居心地の良い範囲なので、その圏内に収まりそうな場合は問題ない。しかし、そうでない場合、例えば90を切りそうだったり、あるいは98をオーバーしそうなペースでラウンドが進むと、不安や過緊張になったり、いらいらしたりということが起こる。
自分がその範囲から抜け出しそうになると、それがマイナスのレベルであれ、プラスのレベルであれ、何となく落ち着かなくなり、いつものプレーができなくなる。このような経験は誰しもあるのではないだろうか。
いつも以上にいいプレーが出来ているにもかかわらず、「これは自分の実力ではない。たまたま起こっているだけで、すぐにいつものスコアに戻ってしまうだろう」などと考えていたら、結局そうなるのは当然である。
元に戻ったら戻ったで、「結局これが自分の実力か」などとがっくりしつつも、自分のコンフォートゾーンに戻ってきたことに安心するのだ。
こんな調子ではせっかく自分に向いている波も実力も無視していることになり、スコアアップも図れない。
こういう時は、あえてその波に乗ってしまうくらいのつもりでやってみよう。そうすれば、その時達成したもの(スコアで言えば80台など)は、次からのコンフォートゾーンの範疇になり、次に80台が出そうなときは、最初よりは落ち着いてできるようになるのだ。
自分の足を自分でひっぱりそうになったら、ぜひコンフォートゾーンのことを思い出してほしい。逆に98を超えてしまいそうなときは、イライラせずにチャンスを待とう、というくらいの余裕をもってプレーしてみよう。
たまたま運が悪かったのかもしれないし、それが永遠に続く訳はないのだ。スコアがなかなか伸びないと感じている人はまず、コンフォートゾーンにとらわれている自分に気づくのが第一歩である。
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