北斗七星

北斗七星 2004年8月30日付 Vol.1053

2004/08/30 15:38

週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載

▼エアコンの普及で暑くて寝苦しい夜というのは昔の話となったが、今年の夏は〝熱くて〟眠れない夜が続いた。アテネオリンピックでの連日にわたる日本人選手の活躍のおかげで、ついついテレビ中継を真剣に見る夜が続いた。アテネの暑さの中で、必死に戦うアスリートたちも大変だろうが、慢性的な寝不足のまま東京で、真夏日の連続記録を更新するような暑さに耐えるのも必死だった。

▼柔道、水泳、体操と金メダルに沸き、22日の女子マラソンでついに北斗子は体力の限界を感じた。スタートからゴールの午前2時半、表彰式やインタビューまで見て午前3時。野口みずき選手の力走に、こちらも力が入った。レース終盤になってケニアのヌデレバ選手が背後に迫り、ガンバレ!と思った瞬間から眠気も吹っ飛び、そのまま表彰式へ。インタビューまでしっかりと見てしまった。

▼そのせいで、翌月曜朝の眠いこと。ビデオリサーチによれば、関東地区の視聴率は29・2%。月曜朝が辛かった人は北斗子ばかりではなかったはずだ。残念な結果に終わった競技も少なくなかったが、日本人選手の活躍はしっかりと感じられた。

▼商業主義や過度なナショナリズムが批判されるオリンピック。アテネでもそうした場面もあったが、選手1人ひとりの活躍には拍手を送りたい。眠気を振り払いながらリアルタイムで見たという実感もある。DVDレコーダーで長時間録画も楽しめるようになったが、やはり“生”にはかなわない。
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