旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->71.バリ島とボロブドゥールの旅-(1)ボロブドゥール遺跡

2004/08/23 15:27

週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載

 1995年8月、創立35周年の記念に役員理事と共にバリ島を旅した。直行便がない上に、安全を考えて2便に分乗し、乗継地ジャカルタで合流したので、バリ島・デンパサールのヒルトンホテルに着いたのは夜だった。

 翌朝、池を囲んでピンクのブーゲンビリヤの花と椰子の樹を配した見事な庭園を観て、流石は南国のリゾートホテルと見惚れてしまった。市内観光はまず庶民の市場から始めた。バナナや見たこともない食品が籠に入れて雑然と並べてあった。バリ博物館では絵画や彫像の外にもジャワ更紗や手織実演など、多くの展示物を観たが、おどろおどろしい奇妙な「人形」に興味を惹かれた。

 それにしても、寺院や博物館の回りで土産物を「千円、千円」といってしつこくつきまとう子供の攻勢には閉口した。午後空路ジャワ島の古都ジョグジャカルタに着いた。

 翌朝、車で北西に1時間のボロブドゥールと、東に30分のロロジョグラン寺院に向かった。ボロブドゥールは8世紀後半から9世紀初めにかけて作られたもので、自然の丘の上に安山岩のブロックを積み上げてある。長い間土に埋もれていたが、1835年に偶然発見された世界的に貴重な仏教遺跡である。高さ42メートル、最下層の1辺は120メートルの方形で、壮大な規模と見事な壁面の彫刻に驚く。

 当時の高度な文明と強大な王権に、改めて畏敬の念を抱き、深い感動に包まれた。最上階の壇上から眺めた眼下に拡がる光景は誠に雄大で素晴らしかった。
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