旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->69.富士伏流水と河口湖ラベンダー-(1)柿田川湧水、白糸の滝

2004/08/02 15:27

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

 柿田川湧水、白糸の滝、忍野八海は何れも富士山の伏流水として知られているが、東京に近いのに意外に観たことのない人が多い。そこで2003年6月に社友会のメンバーと、それらを訪ねることにした。

 早朝新宿西口をバスで出発し、沼津インターに近い柿田川公園に着いた。公園内の谷間にある大小数百の湧き口から、1日約100万立方メートルもの大量の水が湧きだしている。2か所の展望台からそれを間近に観ることができ、勢いよく湧き出す様に皆一様に驚嘆した。

 清冽な柿田川の水は、富士山周辺の雨や雪解け水が地下に滲みこみ、それが10数年かけて三島溶岩流南端のこの地域で一気に地上に湧き出したのである。 柿田川はこの湧水地を水源にして下流の狩野川に合流するまでの僅か1200メートルの短い川で、透明度が高く水質もよいので、周辺市町村の飲料水になっている。水温は年間を通じて15度前後で水草や水苔が多い。鮎は縄張りを争うこともなく群れで泳いでおり、秋に海に下らずにこの川で産卵し、越年する鮎も多い。その外、貴重な動植物が生息するなど大自然の営みにただ感動。

 由緒ある三島大社に詣でる。広重の東海道五十三次に画かれている朝霧の三島大社の大鳥居を、我眼で観て喜びもひとしおであった。三島名物のうなぎの蒲焼を老舗「樽家」で頂く。さすがの味で期待を裏切らなかった。

 白糸の滝は富士伏流水が幅200メートルのU字型断崖に無数の糸を垂らしたように水が静かに流れ落ちる滝で、その珍しい景観に時を忘れてしまう。そのすぐ近くに豪快な音止めの滝があった。
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