BCN FORUM

鶏が先か卵が先か

2004/07/26 15:27

週刊BCN 2004年07月26日vol.1049掲載

 中国市場開拓を海外戦略の最重要課題に位置付けるNECだが、主力であるPCサーバーのシェアは中国で低迷したまま。世界的にブランド認知度が高い米IBMやヒューレット・パッカード(HP)は早々と上位シェアを獲っている。

 こうした状況下にあっても、NECの津田芳明・執行役員常務は、「NECは決して負けていない」と宣言する。IBMのシェアはNECに比べ明らかに勝っているが、一方でNECは負けていないと言う。一見して矛盾しているようだが、実際はそうでもないらしい。

 中国はハードウェア偏重型の市場で、全体の7割強をハードが占める。つまり、“箱売り”が中心で、収益性の高いソリューションは発展途上なのである。

 津田常務は、「ソリューションでは各社ともスタートラインに立ったばかり」と、拡大が見込めるソリューション市場でトップの座を目指す。だが、それにはまず事業基盤となるハードのシェアをせめてトップ5位以内に食い込ませる必要があるわけで、当面は鶏と卵の議論が続きそうだ。
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