Letters from the World

購入後にリベートもらう

2004/06/14 15:37

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

 米国の日曜日の新聞は普段の5倍も10倍も分厚い。それは、毎週日曜日の新聞には、週末のイベントやセールに関する情報が山ほど詰め込まれているからだ。米国ではコンピュータ関連製品のセールス情報も日曜日の新聞に書かれている。最近その広告に変化が見られてきた。商品の価格から、さらにリベートという名目で値引きが行なわれている。

例えば、ノートパソコンの販売価格が899ドルと広告に出ていた場合、その下には“After Manufacturer's Mail-In Rebate of $100.”と書かれている。要するに、商品の売価は999ドルだが、買った後、メーカーに購入証明を送れば100ドルのリベートチェック(小切手)が送られてくるのだ。

最近このメールインリベートがやたら多く見受けられる。一見普通の値引きのようで、そうではないのだ。ただ、販社はメールインリベートを発行した後の価格を広告に利用する。商品によってはメールインリベート後は価格が無料になる物もあるぐらいだ。要するにメーカーのリベートを利用することで、超特価の目玉商品を作り出すことができるのだ。消費者側から見ると、実際に支払う金額はリベート前の金額。セールスタックス(消費税)もリベート前の金額をベースに計算される。そして、実際にリベートが戻るまでには数週間から数か月。場合によっては忘れた頃に小切手が届くこともある。しかし、値引きなしで買うよりは得をした気分になることは事実だ。

メーカー側から見ると、商品を売るために広告やプロモーションをする場合が多い。そしてこのメールインリベートは宣伝広告費、マーケティング費用なのだ。要するに商品価格を値引いて売り上げを下げるのではない。マーケティング費用が売れた商品に対して発生するという考え方だ。経費として100%計上できる。しかも売り上げが下がるわけではない。日本ではまだないようだが、米国では値引きではなく、メールインリベートを利用した商品のプロモーションが多く行なわれているのだ。(米シアトル発:パシフィックソフトウェア パブリッシング 内倉憲一)
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