北斗七星

北斗七星 2004年6月7日付 Vol.1042

2004/06/07 15:38

週刊BCN 2004年06月07日vol.1042掲載

▼彼の「白く澄んだ目」は、国境を越え世界の人々を魅了した。「カンヌ国際映画祭」で主演男優賞授賞の快挙を成し遂げた俳優、柳楽(やぎら)優弥(14)さん。主演映画「誰も知らない」の是枝裕和監督は、柳楽さんを「オーディションで『目』を見て」起用したという。確かに、同作品のワンシーンの彼を見ると、「目」が印象深く残る。

▼取材で人物写真を撮る際、記者やカメラマンは、人物を際立たせるため「目」の焦点に気を使う。取材先では、ファインダーを通し、たびたび柳原さんほどの「眼力」を持つ企業幹部に出会うことがある。北斗子には、低価格・大容量のADSLを世に普及させ、いつも次世代ITの夢を語るソフトバンクの孫正義社長は、そんな存在だった。

▼「だった」と過去形で表現するのは酷だが、個人情報漏えい事件では頭を下げるシーンが多く、カリスマ性を失っていた。ただ先月末、日本テレコムの買収を発表する席では「ブロードバンド(BB)が次の段階に移る」と、BBの次世代を見越した発言に、一瞬の輝きを見た。

▼最近のOCRは、技術の進歩が著しい。すでに一部市販ソフトウェアも使われているが、デジカメ写真を検索するOCRは興味深い。蓄積された散在するデジタル写真の中から、ある人物写真だけを拾い出したい場合、OCR検索を使えば、1枚の画像から同一人物の写真を何枚も探し出せる。ある技術者によると「この検索精度を上げるのは『目の輝き』」というから、日頃からの〝手入れ〟は欠かせない。
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