Letters from the World
不況下、通信市場はなぜ伸びる
2004/05/31 15:37
週刊BCN 2004年05月31日vol.1041掲載
ところが、こうした減少にもかかわらず、なぜ米国の通信市場は拡大を続けているのだろうか。その秘密は保守・コンサルティング関連が大きく伸びているからだ。最近の情報ネットワークは、インターネット、IP電話、無線LAN、ウェブサービス、ストレージネットワークなどが密接に絡み合い、以前では想像もつかないほど複雑になった。そこで通信事業者も企業もネットワーク設計や保守を専門家に依存するようになった。
おかげで、保守・コンサルティングは不況にもかかわらず伸び続けてきた。実際、コンサルティングのトップ「グローバル・サービス」を抱えるIBMは不況知らずの好成績を維持してきた。こうして通信業界の3大分野「機器の販売」、「回線料・サービス」、「保守・コンサル」の内、不況で苦しんだのは機器販売だけということになる。では、その機器販売は回復するのだろうか。TIAの予想によると、昨年がボトムで今年はやや成長する。しかし、06年でも過去最高(99年)の約4割にすぎない。インターネットブームで沸いた通信機器業界の復活は、当分おあづけということらしい。(米サンフランシスコ発:ジャーナリスト 小池良次)
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