ワインの世界を訪ねて

<ワインの世界を訪ねて>3.台湾でワインめぐり(2)

2004/05/24 15:27

週刊BCN 2004年05月24日vol.1040掲載

 台湾ワインめぐりは、同行の友人が以前ワインを飲んだレストランのある高級ホテル、ロイヤル・インのバーから開始した。ワイン自体を楽しむのだからグラス売りが望ましい。コンシェルジュデスクの女性にそう告げると、女性はうなずき、われわれを席に案内した。待つこと10分、小姐がグラスに並々と注がれた赤ワインをささげもってきた。通常、ワインを注文する場合、銘柄などを事前に相談しません?ハウスワイン1種類だけとしても、今から飲むワインが何であるか知りたいと思いません?選択の余地がないならば、赤か白かだけでも…。

 それはオーストラリアのペンフォールズのシラーズとカベルネ・ソーヴィニヨンの混醸。亜熱帯地方のグラスワインになぜこんなにも重いワインを、と思ったが小姐も不明とのこと。値段はチャージがついて400元(約1400円)近くと高額だった。

 ついに良店「大使館」を発見したのは帰国前々夜。店の外にワインの空き瓶が並ぶカフェ風の店があり、入ってみたらこれが正解。灯を落とした落ち着いた店内。ワインはイタリアの軽い赤、白に加え、普段好きでよく飲んでいるカリフォルニアのボニー・ドゥーンのメルロ主体のカ・デル・ソロとリースリングが。6種類のワインはすべてグラスOKで値段も200元ほど(約700円)とリーズナブル。つまみはスモークドサーモンなど洋食のほか小龍包など中華系もあり、ほのかに甘みのあるリースリングとの相性がよかった。カウンターもあり1人でも居心地よし(台北市仁愛路三段122號 電話02-2706-3381)。

 一方、ガイドブックにも載る有名店、セラーは楽しめなかった。カリフォルニアのウッドブリッジやオーストラリアのペンフォールズの下のランクのものなど日本の小売り価格1000円台のものが主体。1400-1600元(約4900-5600円)と決して安くはなく、グラス売りもないのでビールを注文した。フードははまぐりの吸い物、ウナギの蒲焼き、ウナギ飯などのメニューが並び日本人が多く訪れることが想像された(台北市南京東路四段21號B1 電話02-2712-9319)。

 ちなみに私がその街のワインの価格の指標にするウッドブリッジは日本で1000円ぐらい、アメリカで8ドルぐらいだが、台湾では600元(約2100円)と割高。ショップの主人に話を聞いたところ、台湾でも徐々にワインを飲む習慣が浸透しているが、いまのところ帰国子女、海外経験のあるビジネスマンなど一部の人たちの間でのことらしい。
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