IT業界ここがポイント
<IT業界ここがポイント>7.ICタグ
2004/05/24 15:27
週刊BCN 2004年05月24日vol.1040掲載
無線タグ、2005年にも実用化。家電業界がUHF帯による実証実験を開始。(BCN2004年4月26日号)
ICタグ(無線タグ)は、ユビキタス社会を支えるコア技術の1つだ。これは、1ミリ角よりも小さなICチップにアンテナを取り付けたものである。タグと呼ばれる所以は、“荷札”を意味することからきている。つまり、商品情報がメモリされたICタグを食料品や衣類など商品に取り付けておくと、製造場所や流通ルートで専用の読み取り装置から電波を介して情報を入手でき、商品管理をはじめ偽造品や万引きの監視などにも役立つのである。既存のバーコードより情報量も多く、将来はバーコードに替わるものともいわれる。
ICタグには、いくつかの最新技術が採用されている。例えば、電波のやりとりに必要なICタグ側の電力だ。極小なので電池は搭載できない。あるメーカーの場合、読み取り装置から発信された電波をICタグが受信、その電波からダイオードなど整流回路で微小電力を生成し、タグ内商品情報を読み取り装置に返信する。
使用される電波も注目の技術だ。家電業界では、2.45GHzとの比較実験で、UHF帯(300MHz-3GHz)による読取率の優位性を確認した、という。
ICタグ関連ビジネスは、2010年には30兆円を超える市場になるとの予測もある。だがICタグの本格活用にはコストを無視できない。
スーパーなどで販売される商品にも取り付けるから、1個あたり10円程度が当面望まれる。幸い来年には5円程度というICタグ投入予定のメーカーもあるという。
また、ICタグ付き商品を持ち歩くと、その商品の内容からその人の関連情報までがわかってしまい、新たにプライバシーや犯罪などの懸念も出ている。
- 1