北斗七星

北斗七星 2004年4月19日付 Vol.1036

2004/04/19 15:38

週刊BCN 2004年04月19日vol.1036掲載

▼過日、BCN主催で、インターコムの高橋啓介社長、メガソフトの前坂昇社長、エー・アイ・ソフト北沢昇社長による「老舗国産ソフトウェアベンダー座談会」を開催した。1982年から84年にかけて創業、激動の20数年間を生き抜いてきたソフトベンダーが、これからの20年間をどう生きていこうとしているのかをテーマに据えた。

▼過去を振り返るコーナーで共通に出てきたのは、「甘えがあった」という反省だった。パソコンの伸び盛りの時代、「それほど企画を厳密に練らなくても、出せば売れた。それに慣れてしまった」という反省である。3社とも、この反省を元に、さまざまな手を打ち出しているという。

▼たとえば、開発者自身が店頭を歩いたり、直接ユーザーと話すチャンスをできる限り持たせるようにしている点がまず共通していた。「日本のソフト開発者に独創性はないのか」という問いには、「そんなことはないはずだ。好きな分野、関心を持っている分野に積極的にチャレンジさせる環境作りが欠けていた」という認識も共通していた。こと3社については、経営者側の意識が大きく変化、「世界に通用するソフト作り」に向けて、大きくカジを切りつつある姿が浮かび上がってきた。

▼国産ソフトベンダーから世界に通用するソフトが登場しないことに、歯がゆさとじれったさを感じ続けてきたが、老舗ベンダーによって突破口が開かれるかもしれない。そんな期待を持たせてくれる座談会となった。4月26日号に掲載する。
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