IT業界ここがポイント
<IT業界ここがポイント>3.IPv6
2004/04/19 15:27
週刊BCN 2004年04月19日vol.1036掲載
松下電工、インターネット総合研究所など8社は、次世代プロトコル「IPv6」実用化のために「IPv6センサーネットワーキングコンソーシアム」を設立すると発表した。(BCN2003年7月7日号)
IPv6は、インターネットの急速な普及とともに懸念されるIPアドレスの枯渇問題から注目され始めた。インターネットに接続されたコンピュータは、その所在を特定するためにIPアドレスをもつ。このままコンピュータが増え続けるとIPアドレス数そのものが底をついてしまう、というのである。現在はIPv4であり、このアドレス空間は32ビットであるから総アドレス数は2の32乗で約43億個。これがIPv6になると2の128乗となり、IPアドレス枯渇問題は解消されるというわけだ。したがって、コンピュータに加えて、家電機器やモバイル機器などさまざまなものが接続される可能性が出てくる。
IPv6の標準化は、IETF(インターネット技術標準化委員会)で取り組まれ基本部分は収束をみている、という。しかし、ここでは機器への実装は規定しておらず、本格的な普及促進のためには関係各社の対応如何によることになるが、さらにIPv6普及・高度化推進協議会や上記コンソーシアムなどのバックアップも期待されるところである。
IPv6の歴史はおよそ10年である。すでに大手ISP(インターネットサービスプロバイダ)ではこの接続サービスも開始したほか、関連ベンダーからもルータなど対応機器の相次ぐ投入、さらにモバイルやビル管理などの実験も行われている。IPv6は、これまで日本がリーダシップをとってはきたが、米国防総省も2008年までにはIPv6への移行を明らかにしており、国際的にも新たな局面を迎えている。今後はデータに加え、音声や画像のアプリケーションあるいはセキュリティにおけるIPv6ソリューションが期待されるところだ。
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