BCN FORUM

どうもワンパターンばかりで…

2004/04/12 15:27

週刊BCN 2004年04月12日vol.1035掲載

 「ITベンダーの売り込みは、当社のシステムでこんな電子自治体ができます、というような提案が多い」と嘆いているのは、神奈川県大和市の小林隆・情報政策課チーフ。市役所の業務はどこでも基本的に同じ。数を売るためには、どうしても同じようなパターンでの提案が多くなる。

 しかし、小林チーフは「地域によって産業構造が違ったり自然、風土が違っている。地域のニーズを製品に織り込んで提案してくれれば、興味も出る」と厳しい。

 ベンダーにとっては、入札によりシステム受注価格は下がる一方。「赤字になりそうなシステムには手を出すな」という大手企業もある。ベンダーに言わせれば、地域のニーズまではとても手が回らないのかもしれない。

 地方の時代と言われながら、むしろ地方の画一化が進行している。高速道路網、新幹線の延伸で大都市との距離が縮まっていることも原因の1つ。IT化もそうした勢いを増す要因になるかもしれない。

 小林チーフは、「大和市には米軍厚木基地の問題があるように、自治体それぞれに姿が違う。その地域の問題を解決するようなITが必要になる」と力説する。むしろ、地域性を生かした電子自治体を構築することが地方分権を推進することにもつながる。
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