マイクロソフトはトロンを情報家電向けに改良する共同組織「T－エンジン・フォーラム」に参加、次世代向け情報家電ソフト開発で提携することを明らかにした。（WebBCN、2003年9月25日）

　入学・就職シーズンの4月。IT業界にも多くの新入社員諸君が、意欲に燃えて入ってきたことだろう。しかし、この業界は技術の進歩が速い。そこでこの連載では、IT業界で“はずせない”キーポイントを12回にわたって簡単に紹介しよう。第1回は、ITで実現する近未来にとって欠かせない概念、「ユビキタス」だ。

　ユビキタスとは、ラテン語の「Ubiquitous」で、“いたるところに存在する”という意味。ユビキタスでは、身のまわり全てのものにコンピュータが組み込まれ、さらにセンサなどがついてネットワークに接続する。これを、誰もが利用可能な社会生活に役立てようとするものだ。

　ユビキタスを実現するために重要なのは、やはりOSだ。現在、トロンというOSが有力視されている。トロンは、パソコン用としてはマイクロソフトのウィンドウズに敗れた形ではあるが、すでに携帯電話に組み込まれており、また日本が主導権を握りつつある情報家電分野でその果たす役割も大きいと見られている。

　ユビキタスの具体的な例ではICタグがある。これは1ミリ以下のICチップにアンテナをつけ、これを食品などの値札に装着すれば、流通経路をはじめいろいろな情報を得ることができる。これによって、従来にはない商品管理が可能となる。

　もちろん、いつでもどこでも誰でもが利用するため、個人認証などセキュリティが不可欠である。加えて、ネットワーク活用には重要な、標準化への取り組みも進めらていることはいうまでもない。